みなさん、こんにちは。カウンセリングサービスの大野愛子です。
木曜日は「うまくいかない恋の処方箋」をテーマに、大門昌代・大塚統子と共にお送りしております。今週は、大野が担当させて頂きます。
以前はたくさんメールをくれたし、好きだよって言ってくれたのに。
今はやさしい言葉もかけてくれないし、なんだか前より無口になったみたい。
そんな彼を見ていると、愛されているのか不安になるんです。
彼は私のこと、どう思っているんでしょうか?
* * *
彼の気持ちがわかりません。
・・という悩み。恋愛のご相談ではたくさんお伺いします。
女性は自分の価値が、彼次第になってしまうようなところがあります。
彼が私を好きでいてくれたら、私は自分のことを好きになれる気がする。でも、彼が私を嫌いになったら、私はきっと自分を嫌いになる。
愛されれば価値があるし、愛されなければ価値がない。
これ、わかりますか?
自分の価値が、「相手に愛されるかどうか」にゆだねられているのです。
これがまさに、「自己肯定感が低い」という状態です。
自分を好き(自己肯定)でいられるかどうかが、自分自身ではなく彼次第(他者肯定)になっているのです。
それでも彼の気持ちを知りたいのならば、一度相手の立場になって考えてみることが必要です。
ですが、「私が愛されているのかどうかを知りたい」というフィルターを通して彼を見ると、そこに映るのは、「私は愛されていないのではないか?」という怖れの影ばかりです。
それでも、少しだけ深く自分の心の中を見ていくと。
「彼が愛してくれないとなんの自信も持てない自分」が見えてきます。
それは、「あなたが愛してくれないから、わたしはこんなにも苦しい」という過度な依存心、もしくは「あなたが愛してくれないのなら、なんの意味もない」という自己否定感を生み出すこともあります。
だからこそ、自分の価値を相手にゆだねるということは、「彼が私を愛してくれない=私には価値がない」という方程式が成り立ってしまうのです。
あえてお伝えするのですが、愛する人に「あなたの気持ちがわからなくなった」と惑わせるぐらいですから、彼にもなんらかの事情や理由があるのでしょう。
「どんな気持ちでいるのだろうか?」
「なにをつらいと思っているのだろうか?」
そんなふうに思ってみた時、今まで見えなかった彼の別の姿が見えたりもするのです。
愛情のある言動ができなくなっている彼もまた、そんな自分をなさけなく嫌っているのかもしれません。
「彼もまた、苦しいのかもしれない」
少しばかりの愛情をもってみればわかることですが、
「私への愛情は残っているのだろうか?」
と気にしているときには見えない相手の姿があります。
もう一度言いますが、彼の気持ちがわからないと悩む時には、自分の価値が彼次第になっています。
そんな時は、「私は私を愛せているのだろうか」と、自分に問いかけてみましょう。
その問いに、あなたならどう答えるでしょうか?
自分のことが好きで自分のことを大切にしている人には、心にゆとりがあります。そのゆとりを愛情としてパートナーに与えることができます。
自分が嫌いで自分のことを大切にしていない人は、パートナーに与えるだけの心のゆとりがありません。自分を満たすための愛情を相手からもらうしかなくなるのです。
どんなに彼が愛してくれたとしても、自分で自分を愛せないので、一時しのぎにしかならないという欠乏感がそこにはあります。
それは、「いくら食べてもすぐにお腹が減る」という感じです。
あなたには、素晴らしいところがたくさんあります。
人から見た自分だけを気にするのではなく、自分から見た自分も認めてあげましょう。
自己肯定感の低さというのは、相手の顔色を伺ったり、機嫌に振り回されやすいなど、恋愛に少なからず影響を及ぼすことがあります。
自分を見つめなおす良い機会にしてみてはいかがでしょうか?
もちろん、遠慮なくご相談くださればと思います。


