日曜日・恋愛心理学講座を原カウンセラー と隔週で担当しています。
なんらかの理由で両親が離婚し、とても長い間、おとうさんまたはおかあさんに会っていないという人は意外といらっしゃるものです。
そういう方には、「会っていない親御さんを捜して、一度、お会いになってみてはいかがですか?」とよくおすすめします。
両親が離婚し、片親に育てられると、非常に自立した子どもに育つ傾向が高まります。
一般的に多いのは、両親の離婚後、母親に引き取られるというものです。
しかしながら、おかあさんは働きに出なくてはいけなくなるわけですから、子どもたちにしてみると、親の離婚と同時に、おとうさんだけでなく、おかあさんもなくしたような心理状態になるわけです。
弟や妹がいたりすると、「おにいちゃん、おねえちゃんだから‥‥」と役割のようなものもできてきて、子どものときから、弟や妹のまるで親代わりのようにならなければならないこともあります。
すると、「私はいいから‥‥」、「ガマンできますから‥‥」などと、なにかにつけて自分のことを後回しにするタイプができあがったりするんですね。
そこで、「長年、会っていなかった親御さんに、一度、会ってみたら?」とおすすめするわけです。
以前、恋愛相談にこられた女性は、男性に対し、ものすごく強い疑いや不信感をもっている人でした。
いったいなぜ、こんなに男性不信が強くなってしまったのかと彼女の生い立ちをうかがってみると、7歳のとき、おとうさんの経営していた会社が倒産、そして、借金問題からご両親が離婚したというお話が出てきました。
おとうさんは彼女のことを溺愛していて、彼女もパパっ子だったのですが、両親の離婚によって、彼女は母親と暮らすことになりました。
それは、彼女にとっては、おとうさんに裏切られ、見捨てられたようにも感じられたわけです。
おとうさんとの再会のすすめに対し、「そんなこと言っても、どこに住んでいるかわからないし‥‥」と答える彼女に、私はこう教えました。
「日本には戸籍制度というのがありますよね。あなたの戸籍謄本を取ると、離婚したおとうさんの欄には×印がついています。そして、そのおとうさんの戸籍を追っかけていくと、簡単にいまの住所がわかるんですよ」
つまり、役所の戸籍課に行き、あなたが自分の身分を証明する免許証などを見せつつ、「別れて、長年、会っていないおとうさんに会いたいんです」と言うと、たいがいの戸籍課の担当者は感動し、気合いを入れ、すぐさま探してくれるのです。
その彼女の場合も、おとうさんがたまたま同じ町に住んでいたこともあり、即時に判明してしまったのです。
彼女は、会うつもりはなかったのですが、住所をたよりにおとうさんのいまの住まいに行ってみました。そこには、とても古い文化アパートがあり、そして、その2階におとうさんの名前のついた郵便ポストがあったのです。
そこまで確認すればいいと思っていたのですが、そのとき、彼女はふと、ポストの上の電気のメーターが動いていることに気づいたのです。
「ヤツは中にいる‥‥」
そして、なぜかチャイムを鳴らしてしまったのです。
すると、家の中から、だいぶ年をとったおとうさんが出てきました。
彼女が7歳のとき以来、会っていなかったので、20年ぶりのわが娘のことは、おとうさんには当然、わかりません。
しかしながら、彼女があまりにも動揺し、アワアワとした態度だったので、「おまえ、ひょっとして‥‥」と気づき、彼女を部屋の中に招き入れてくれました。
そこは、ほんとうになにもない部屋でした。ポットもなく、ガスコンロの上にヤカンが置いてあるだけだったのです。そのヤカンでおとうさんはお湯を沸かし、お茶を入れてくれたのですが、お茶菓子がなにもありませんでした。
なにかないかと思ったのか、おとうさんは自分のポケットをパンパンとはたきました。すると、出てきたのは、箱からこぼれたキャラメル2個。しかも、包み紙はズレているような状態で、さすがのおとうさんも「こんなものは出すわけにいかない」とポケットにもう一度引っ込めようとしました。
その瞬間、彼女はいっぱい思い出したのです。
7歳まで、おとうさんがどんなものでも買ってくれたこと。おかあさんが、「そんなもの、家にいっぱいあるでしょ?」といなしても、「まあ、いいじゃないか」と私の欲しがるものすべてを与えてくれたこと‥‥。
そのおとうさんがいまはなにも持っていなくて、しわくちゃのキャラメル2個しかない。
その現実を目の前に、彼女の感情があふれ出しました。そして、おとうさんのポケットの中からキャラメルを引っぱりだし、二人でわんわんと泣きながら食べたそうです。
そのとき、彼女が感じたのは、「自分は愛されている」、「このような状況になっても、父親は私になにかを与えようとしてくれている」ということでした。
よく「愛情は肌で感じるもの」といいますが、実の父親を前にし、抵抗しがたい愛情を彼女は感じることができたようです。
その後、彼女が結婚するまで1年半ほどの時間がかかりましたが、おとうさまのおかげで、なんとかもう一度、男性の愛情を信頼できるようになったのです。
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