こんにちは、カウンセリングサービスの秋葉秀海です。毎週金曜更新の「大人の恋愛術」を、みずがきひろみ
カウンセラーと隔週で担当しています。
東京に引っ越してきてからひと月弱が過ぎました。毎日寒い日が続き、「大阪より東京は寒い!」なんて思ってしまいますが、実際は全国的な寒波でけっして東京だけ特別ではないんですよね。どうも私たちにとっては、今自分の体験していることを優先的に感じて、肌で感じられないことは理解し難いものなのかもしれません。それは対人関係でも同様で、相手の感じていることよりも自分の感じていることを優先することで、相手を理解し難い、ということがあるのかもしれません。
「大人の恋愛術」今週は、そんな「理解」をテーマにお話を始めてみたいと思います。
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理解が欲しい
伝えたいことが伝わらない、そんな経験は誰にでもあることです。
駆け出しの営業マン時代、 顧客からの要望を社に持ち帰って上司のサポートを得たいのに、なかなか真意が届かなくて理解を得られず悔しい思いをした経験が私にもあります。
また、子どもの頃には言葉足らずのうえに、伝えたい要点をうまくまとめることができないで母親に誤解されて悲しい思いをしたことも。
伝えたいことがうまく伝わらないというのは、時として自分自身を拒絶されてしまったかのように感じてしまうものです。とりわけ、気持ちを伝えるということは容易ではなく、もどかしい思いや寂しい気持ちになった経験はあなたにもあることでしょう。
「理解されたい」というのは私たちが本質的に持っている欲求のひとつなのかもしれません。
そんな「理解されたい」欲求が充分に満たされないと、私たちは不充分さを感じ不満を覚えます。まして、家族やパートナーから満たして欲しい理解が充分に得られないとなれば、大いに傷ついてしまうことでしょう。
あきらめという拒絶
理解が得られないことが苦しいのと同様に、大切な人を理解できない、ということもまた苦しいことです。
とりわけ、最も近しい関係のひとつであるパートナーを理解できないと私たちは、不充分さや無価値感を感じ、時として罪の意識まで持ってしまうこともあるかもしれません。
例えば、毎晩帰りが遅い彼。
残業や取引先との付合いで疲労困憊しているのに、「身体を大事にして」と何度言っても聞き入れてくれない。
そんな時あなたは、どうしてそこまで仕事をしなければならないのか理解ができずに苦しみます。
そしてついに、「家族と仕事とどっちが大事?」なんて、言っちゃいけないとわかっているのに言ってしまう。それは、帰りの遅い彼を責めたいわけではなくて、「理解しようとしても理解することができない」苦しさと、彼を思い、心を砕いて心配しているのが伝わらない、「彼に理解してもらえない」という苦しさとを心がダブルで感じているのかもしれません。
それは、浮気や突然の別れ話に心が揺れるときも同様で、
「どうして?」
という問いかけは、「あなたのこと、理解したいけれど理解できないよ。どうして私の気持ちをわかってくれないの」という心の悲鳴なのかもしれません。
そもそも恋愛というのは、お互いを理解しようとする心の作用とともに始まります。
好意を寄せる相手のことをもっと知りたい、理解したいという感情は付き合い始めたばかりのふたりの距離を近づけるのに役立ちます。
けれど、どんなに気の合うカップルでも一定期間を経ると、お互い理解しがたい部分がみえ隠れしてきては、ケンカの材料になったりします。 それは、ほんの些細な習慣やクセのようなものから人生を左右するほどの考え方の違いまで大小様々。
「理解したいけれど理解できない」
「理解されたいのに理解されない」
そんなことを繰り返すうちにやがて私たちは、「どうせ理解してはくれない」、「私には理解できない」と、あきらめにも似た感覚を持ち始めることがあります。
「彼は(彼女は)そういう人だから仕方がない」と感じる。そんな時、出会った頃の、パートナーを″理解したい″という好奇心にも似た関心が薄れてきていることに気がつくでしょうか?
パートナーを理解したい、という感情はふたりの距離を近づけるのに役立ちます。いっぽう、「私と彼(彼女)は別々の人間だから。。」と、パートナーを理解する努力をやめてしまうようなとき、そこには拒絶の壁が立ちはだかっています。
努力を惜しまない努力
「男と女は思考回路が違うから」
そんな風に妙に納得したり、腑に落ちたり。
男脳と女脳なんて言葉が出回るように、最近では男性と女性の考え方や感じ方の違いを科学的に解明する動きも見られます。
男女に限らず、生まれも育ちも違う他人同士のふたりなら、違う考え、異なる信念を持っていても当然のこと。
だからこそ、相手に興味を持ち、もっと理解したいという欲求が生まれてきたのかもしれません。
ところが付き合いが長く深くなるにつれ「理解しがたいこと」が増えてくると中には、どうしても相容れないことだってあるものです。けれど、もし今あなたがふたりの関係をよりよいもの、親密なものにしたいと考えるなら、「理解できない」という拒絶の壁を越えて、パートナーに理解を与えることが必要。
その取組みは、決して簡単なことではなく、「こんなに理解しようと努力していることを、理解してもらえない」という心の痛みにも耐える覚悟と、「努力をしても、やっぱり理解できない」という無力感や無意味感とも闘う必要があるかもしれません。
それは、「理解をしようとする″努力を惜しまない努力″」とでも言えるような力強い取組みで、パートナーとの関係に大きなインパクトを与えるチャレンジでもあるのです。
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<今日のセルフカウンセリング>
今日は、パートナーとの関係にインパクトを与えるシンプルな質問です。
・今、あなたがパートナーに対して、理解しがたいと感じていることは何ですか?
・もし、あなたが今「理解しがたい」と感じていることを、理解できたとしたら?
・ふたりの関係はどう変わるでしょう?
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どんなに努力をしても、心を砕いてみても、それでもやっぱり理解することができなかったら?
私たちは元来別々の人間、やっぱりそんなこともあるのです。
けれど、パートナーを理解しようとし続ける努力は、たとえそれが「理解する」というゴールにたどり着くことができなくても、その取組みは、ふたりの間にある「あきらめという拒絶の壁」を取り壊し、パートナーシップをより親密で強いものにしてくれるでしょう。
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パートナーを理解する、ということについて考えてみた今週の大人の恋愛術。
来週はみずがきひろみカウンセラーの担当となりますので、次回秋葉秀海の登場は2月17日(金)となります。今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。それではまた、こちらのページでお会いできることを楽しみにしています。
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