こんにちは。カウンセリングサービスのみずがきひろみです。秋葉秀海カウンセラーと隔週で、金曜日の「大人の恋愛術」を担当しています。

それでも、「文句」は言わなくてすむなら言いたくない、とは思います。
なぜなら、「文句」はやっぱり相手への「攻撃」だから。![]()

「文句」は、どうしても相手に非がある、「私が正しい」という立場の発言なので、言われた方は面白くありません。普通は反発をしたくなりますが、すぐに「自分が悪い」と思ってしまうタイプの人は言いなりになることもあるでしょう。自分の言いなりになってくれる人は都合はいいのですが、今度は「その人」と関わっている手ごたえが感じられなくて、相手を魅力的だと思えなくなってしまいます。いずれにしても、相手との関係は気まずくなることが多いようです。![]()

「文句」は相手への「攻撃」だから止めた方がいい、はわかりやすいですが、「文句」は、それ以上に「自分」に対する自己攻撃になりかねないのが困りもの。そのことに気づけると、文句を言いたくなる時の自分の気持ちをどう受け止めたらいいのかが見えてきそうです。![]()

「文句」を言っているとき、私たちは、相手に「変わってほしい!」と言っています。「この状況は不都合だ。でも、私は変わりたくない。だからあなたが変わって!」というのが「文句」の本質です。極端な言い方をすれば、自分が変わる、自分が成長する可能性をゼロにして、問題解決を全面的に相手に委ねている状態だと言ってもいいかもしれません。これは、心理学的に「依存」のポジションに自分を置くことになり、結構辛い状態です。![]()

ところが、「文句」を言っている当人は、自分が自分を「無力」な者として扱っていることに自覚がないことが多いのです。そのことに気づかずに、「正しさ」を味方に引き入れて、「私は正しい。あなたは間違っている。ゆえにあなたは変わらなければならない!」と相手に自分の思い通りの解決を押し付けようとします。でも、上から目線で威張っているように見えて、実は、自分が変わることで問題を解決するという選択肢をブン投げてしまい、相手次第の状況に自分を追いやっていることになります。![]()

私がダーリンと二人で外出しようとしたとき、ダーリンがすたすたと先に玄関を出ていこうとします。慌ててついていこうとするのに、私の靴がありません。![]()

「ダーリン、私の靴を出してくれなかった」といじける私。
「出してほしいなら、どの靴を出してほしい、と言えばいいじゃないか」とダーリン。
「だって、この恰好ならスニーカーって決まっているじゃない。いつもそうなんだから。逆のときは、私だってそうしてあげているじゃない!」とあくまでも、私の靴をついでに出してくれなかったダーリンが「悪い」と言い張る私。
たかがスニーカー、されどスニーカー。
こういう話は、スニーカーにとどまらないところがやっかいです。
「あの時は、自分のコーヒーだけをもってきて、私の分がなかった。この時は、自分の本だけ片付けて、私の本は出しっぱなしだった。」
「だいたい、いつも自分のことだけで、私は数に入っていない」と段々、話が一般化されて、「問題」は、「スニーカーをついでに出してくれなかった」ことから、「私が彼の頭の中で数に入っていない」という抽象的な、しかし、ゆゆしき事態に膨れ上がるのです。![]()

一言、「私のスニーカーも出して!」と頼めば、「ほいほい」と希望はかなったはず、なのですが。
いっしょに出かけるときは、お互いの面倒を見るべきでしょう。そうしてもらえないのは大事に思われていないからだ、と文句を言う。自分でやってもらいたいことを「依頼する」という「力」を行使するのではなく、「やってもらえなかった」といじけることで、「やるのが『正しい』でしょ?やらなかったのは、私の価値がないからよね、と自分で自分の自己価値を切り下げていることに気づいていません。![]()

つまらないことで「文句」を言うことが、実は、自分を無力な者のように扱い、他の誰でもない、自分の自尊心を傷つけていることになりかねない。極力「文句」を言わないことが、自分を大切に扱うことにつながっているのです。![]()

でも、それでも腹は立つし、イライラするのはどうしたらいいでしょう?
「私は、○○と感じている」と主語をはっきりとさせた上で、「正しい」「間違っている」ではなく「感情」を伝えたいところです。![]()

それが難しくて、どうしても「文句」になってしまいそうなときは、「文句」の対象を具体的な事柄や言動に限定するようにしましょう。一般化したくなったり、拡大解釈で相手の人格を否定したくなっても、そこは手放して。
大好きな人を大事に扱うことで、自分の心も大切にできますように。![]()

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