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第2回『 吾輩は、ダイブする。 』

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恋愛テクニック-阿部純也2

こんにちは、カウンセリングサービスの阿部純也です。恋愛テクニックブログ、毎週火曜日は村本明嬉子成井裕美の二人とともに『モテオーラ養成講座』をお届けしています。

今回も前回に引き続き、ちょっぴり心理学のエッセンスを含んだエッセイ風のコラムをお楽しみください。




吾輩は猫になる


『第2回 吾輩は、ダイブする。』

吾輩は、猫になる。名前はじゅやちん。積まれたくはない。

『猫』という生き物は、部屋に新しい家電、印刷機や空気清浄機などを用意すれば、その上にひょいっと飛び乗り、桃色をした肉球でぴっぴっと電子ボタンを押しては、具合を確かめる生き物である。

昨今の機器に搭載しているチャイルドロック機能は、猫にも有効で助かっている。残念なことに、我が家のプリンタ兼FAXには、そうした機能がないため、うっかり妻が漫画やイラストのラフを置き忘れたりすれば、桃色の肉球によってどこぞへ送信されることもある。

猫は、長く過ごしている部屋でも少し大きなものを移動すれば、空いた空間にはすかさずその身を乗り出す。辺りの匂いをくんくんと嗅ぎまわり、空間の隅をかっ、かっ、と引っ掻いては「掘れぬ!」と確認し、出っ張っているものがあれば口の端を擦り付けてマーキングをする。人にもボウズ頭にラインをいれてお洒落をする者があるが、間違いなく入れない細い溝に顔をぐりぐりと押しつけ、白い顔に黒いラインを入れるのが猫流のお洒落である。

空間のチェックがひとしきり済めば、今度はちょこんと姿勢を正し、新たな道筋がないか熟孝する。辺りをじっくりと見渡して、キラリと一抹の可能性を見いだすや、ご自慢の跳躍を使って、とんでもない場所にダイブする。本棚や天棚の空きスペースや、2階バルコニーから隣家の屋根への猫ダイブは圧巻であり、飼い主としては「やられた!」と思う次第である。

一度、たまたま空いていた押し入れの天袋に侵入したことがあった。その甘い思い出が忘れられないのか、そこにいたる道筋を見出せば、扉が閉まっているに関わらず、へりに腕を引っかけ、細腕の筋肉をぷるぷると震わせながら、ものすごい力でよじ登ろうとする。いやはや、猫は懸垂が可能な生き物である。

時に猫は、そうして新たな場所へと飛び込み、到達しては新しい場所や景色を楽しむようだ。跳躍前の潔い勇気と気前のいい覚悟には感心させられる。

さて、人間の私であればどうであろうか。

齢も三十路を越えてしまうと、物事に関して随分と腰が重くなってしまった。どうにも歳を重ねた人間というのは、安心や安定を優先してしまい、過程を億劫に思ってしまったり、こんな感じのものだろうとつい決め込んでしまうのである。下手に動かない方が安心なのだ。

妻との関係においても、これまですったもんだを繰り返してきたが、最近ではめっきり問答も少なくなった。それはそれで良いことでもあるが、どうしたものかと四苦八苦もがくことも減ってしまった。

思えば10年も前は、妻が感じている心模様にからきし自信もなく、だがそれゆえに、不器用ながらも一所懸命になれていた。

妻は妻で、男心への理解を深め、辛抱強くもなり、私にやみくもに感情をぶつけるようなこともほとんどなくなった。己の感情がどうにもしようがない時には、独り籠り、こころを落ち着かせてから向き合う次第である。

そこで思う。

一昔前より遥かにまともなことが言えるようになり、互いに女心や男心という厄介なものもいくらか想像できるようになった。だが、己自身の気持ちの入りようは、いかほどだろう。先が読めると面白みに欠けるドラマのように、安定があってもドキドキがない、そんな傾向になっていやしないだろうか。

色恋というのは、お互いの気持ちが見えずわからず、の初めの頃に一番ドキドキするものである。そこには不安や緊張がつきまとうのだが、それを自らが越えようとする時に一番輝くものでもある。

ところが、この不安や緊張を減らす努力をあんまりにもすれば、安心が手中に収まれど、節節と暗黙のルールが築かれていたりするのがこころというものだ。特に、感情はぶつけない、不満は言わない、嘘はつかない、隠し事をしないなど、「○○をしない」といった禁じ手のようなものを課していけば、それはやがて関係を縛る強力な鎖にもなり、こころは自ずと自由を求めるようになったりするのだ。

はて、昨今の私と妻には、時折「一人になりたい時間」というのがあり、それを互いに尊重している。

互い、この時間にはいったい何を求めているであろうか。それはひょっとすると、先刻の「自由」であったりしないだろうか。ともすれば、互い己自身のこころにどんな暗黙ルールを課しているであろう。

近頃、良妻ぶりを発揮している妻だが、ひょっとすると自身も知らずの内に、なにや制限をかけているのやも知れぬ。かいがいしくも、迷惑をかけたりがっかりさせないよう、気を遣っているのかもしれぬ。

もちろんまったくそんなこともないのかもしれないが、そう思うと、不思議といつもの日常に、なにか新しい道筋を発見したような気分になった。

ようし、ここは一つ、猫のやつのように飛び込んでみようではないか。

吾輩は、猫になる。
今いる場所から新しい道を見つけては、潔くダイブしてみよう。

>>>阿部純也のブログも見る

前回、「漫画が見れない」というご意見をいただいておりますが「吾輩は猫になるシリーズ」は、イラストのみで漫画はありません。扉イラストのサイズは少し小さくしてみたのですが、携帯等でまだ画像自体が見れないという方がいらっしゃいましたら、コメント欄にてご一報くださると助かります。



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