こんにちは。神戸メンタルサービスの平です。
日曜日・恋愛心理学講座を原カウンセラー と隔週で担当しています。
私どもに恋愛相談にみえるお客様の中には、彼氏がいかにダメで、どうしようもなく、頼りないかということを切実に訴えられる方がいらっしゃいます。
「もう、まったくどうしようもないんです!」という彼女に私は、「なるほど、たしかにすべてにおいて、彼が悪いようですねえ。しかし、いったいなぜ、そんな彼を選んでしまうという間違いをあなたはしてしまったんでしょう?」と、ちょっぴりイヤミな質問をしたりします。
続けて、「こういう彼は、今回だけですか?」なんて質問をしようものなら、彼女は「‥‥」。
「どうも、このタイプの彼とおつきあいすることが多いようですね」
「‥‥ハイ」
そこで、私はこう聞きます。
「では、なんで、このように手がかかる人を、いつもいつも選んでしまうのでしょう?」
初恋の相手がたまたまそうだったとか、10代で恋愛経験があまりないころにこういうタイプの彼とおつきあいをしたというならば理解もできるのですが、今回のような相談をいただくのは、意外にも20代後半から30代の、恋にも仕事にもそれなりのキャリアのある女性たちであることが多いのです。
彼女のお友だちあたりは、はっきりとではないにしても、「よく考えたほうがいいわよ」とか「前の彼のタイプと似てるんじゃないの?」などと彼女にアドバイスしてくれている模様。
ところが、「前の彼とはぜんぜん違うから」とか「ようやく理想の王子様を見つけたんだから」などと、当の彼女ときたら聞く耳をもたない様子。で、しばらくして、まわりのお友だちに「また、あのタイプに引っかかってる!」と言われたりするわけです。こんな例の多いこと、多いこと。
女性であれ、男性であれ、ダメな人をパートナーに選んでしまう人に共通していることとして、自己価値が低いということがあげられます。
自分で自分につける点数があまり高くない人は、素晴らしい価値があると感じる人とおつきあいをしたとしたら、ものすごく背伸びをし、ものすごく無理をしてつきあわなければならないと考えてしまいます。
たとえば、90点の彼氏とつきあうとき、あなた自身の採点が30点だったとしたら、釣り合いをとるために60点分の犠牲とがまんと献身と奉仕が必要だと考えてしまうわけです。
そのままの自分では魅力が足りないので、「なにかしないと、自分は愛されない」と考え、いろいろな無理をしなければと考えてしまうのですね。
さらに、パートナーである彼はほぼ完ぺきであるにもかかわらず、自分ときたら、あれもこれもまったく不完全で、いまはいいかしれないけれど、こんなに不完全であることがバレてしまうと、いずれ見捨てられてしまうに違いないなどとも考えてしまいます。
そして、「その来るべきXデーのために心の準備もしておかなければ‥‥」なんてことまで考えたりしているので、とにかく楽しめない恋愛が続くようなのです。
そんなとき、「ほんと、ダメねー、彼ったら」というように、あなたから見て、若干、点数が低い彼が現れた場合、自分の点数と近いという理由だけで、「あら、彼って案外、かわいくない?」などと感じてしまったりすることがあります。
実際、彼はほんとうに点数が低くて、イマイチな人であったとしても、その「かわいい」ということでポイントが40点ぐらい加算されてしまい、総合評価が高くなったりするわけです。
90点の彼の場合、あなたは劣等感から、思いきり背伸びをしなくてはならないのですが、このかわいい彼の場合は背伸びせずにつきあうことができます。90点の彼とは、あなたが見上げるような関係だとしたら、このかわいいタイプの彼は、背伸びどころか、あなたが見下ろすような関係であるわけです。
当然、つきあっていてもとてもラクなのですが、このタイプの彼は依存的なので、とても手がかかります。あなたのことを、彼女というよりもおかあさんのように感じ、こき使い、感謝もせず、「してもらって当然」という態度‥‥。
あなたも心穏やかではなかったりするのですが、ここでのポイントは、なぜか、そんな彼に対し、あなたががまんしてしまうということです。
すると、わがままが通用することを知ったダダッ子は、さらなる要求をあなたにぶつけてきます。そして、あなたの忍耐が限界にくるまでこの関係は続き、やがて、あなたはブチ切れ、この原稿の冒頭のようなご相談となるわけです。
ここで、いちばん大事なことは、やはり、あなた自身の自己価値を上げることです。
では、どうしたら上げられるのでしょうか?
このタイプに多いのが、人の素晴らしいところと自分のダメなところを比べ、自分を責めるという傾向があり、そのため、人の素晴らしいところをほめるということがあまりできないということです。
もちろん、世の中にはあなたより素晴らしい物や人がたくさん存在しています。でも、その物や人が素晴らしいからといって、あなたがダメなわけではぜんぜんありませんよね。
もし、それができたなら‥‥、つまり、あの素晴らしい人たちを、あなたが声に出し、ほめたたえることができたなら、こんどは必ずあの素晴らしい人たちが、あなたの気づいていないあなたの魅力や価値を見つけ、あなたに伝えてくれるはずなのです。それは、あなたにとっては、まったく意外なことかもしれません。
自分の中の自己価値を上げたかったら、あなたの思うすばらしいと思う人たちをちょっとほめてあげてみてください。
たったそれだけのことで、これまでの悪ーい流れを簡単に断ち切ることができるようですよ。
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