コンプレックス vs 魅力

その内容は、「私はもうおばさんだから‥‥」とか「アンチ・エイジングはがんばっているけど、若い女性と比べられると‥‥」とか、コンプレックスにまつわるものが圧倒的な数を占めます。

でも、彼はそんなことは百も承知であなたに恋をしたわけですよね。

そこで、「彼はいったい、あなたのどこに魅力を感じているのでしょうね？」とお話しさせていただくのですが、「ほんと、彼は私のどこがいいと思ってるんでしょうねぇ？」などと、まったく自分の魅力に気づいていない人が多いのです。Image may be NSFW.
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ある相談者は40歳を少し過ぎた女性で、彼は10歳ほど下の30過ぎの男性でした。

なるほど、彼女にしてみると、30代前半の男性は若いといえるかもしれません。

しかし、30代といったら、社会では一人前の男性でもあります。年下だからといって、10代後半の男の子と同じように扱うわけにはいきませんよね。

もちろん、彼には年下の女性たちとの接点もあるでしょうし、その女性たちはたしかに彼女より肌のハリツヤがよく、ピチピチとしていることでしょう。でも、彼はその女性たちではなく、彼女を選んだわけです。

「だから、あなたにはそれだけの魅力があるはずですよ」と言うのですが、彼女にかぎらず相談に来る女性たちは、「私の魅力」よりも「私のコンプレックス」のほうに目がいってしまうのです。Image may be NSFW.
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自己嫌悪という感情は(自己攻撃ともいいますが)、私たちが思春期のころ、鏡を念入りに見るようになり、人と自分を比べたり、自分のいけていないところを見つけたりしたときにスタートします。

私たちは他者との比較では、必ず「勝てない競争」をします。

勝てない競争？

そう、自分の悪いところと、他者の良いところを比べてしまうのです。
「Ａ子ちゃんは背が高くてすらりとしているのに、私はチビ」とか、「Ｂ子ちゃんに比べて、私はオッパイがちっちゃい」など、けっして勝てない比較をするのです。

本来、比較というのは、良いところと良いところを比べてみることです。

ところが、あなたの悪いところと、他者の良いところを比べてしまうので、勝てるわけがないのです。ましてや、その比較の基準はあなたのコンプレックスに基づいていますから、ますます話はおかしくなってくるわけです。

たとえば、あなたの背が低かったとしましょう。そこにコンプレックスがあると、あなたは「もっと背が高かったら、自分に自信がもてるのに」と思うでしょう。

その考え方のベースには、「背が低いのは魅力的ではない。背は高ければ高いほど魅力的である」というあなたの基準があるわけです。

しかしながら、まったく逆の価値観をもっていて、背の低いあなたに魅力を感じる人だっているかもしれないんですね。
「なんて、ちっちゃくてカワイイ娘なんだろう！」、と。

その価値観があなたの中にはまったくないので、自分には自分の魅力が見えてこないわけです。

先にお話しした40歳過ぎの女性は、年齢を感じさせないほどかわいらしく、チャーミングで、やさしそうで、女性らしくて、と、私の目にもとても魅力的に映りました。

ところが、ただ一点、「自分は若くない」というコンプレックスに支配されているがゆえに、彼女には自分の魅力が感じられず、年下の彼氏からどれだけ「きみは素敵だ」と言われても、それを受け入れることができないのです。

このようなことは、私たちにもよくあります。
こんなときは、どのようなことが必要なのでしょうか？

それは、自分への評価について、価値観を転換させようという姿勢をもつことです。自分で決めつけずに、「彼が言うのだから、自分にはそれだけの魅力があるのだと信頼してみよう」ということです。Image may be NSFW.
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少なくとも、この転換は、彼女にとっては大きいものであるはずです。だって、これまではコンプレックスに感じていたことを、魅力として捉えるようになるわけですから。

人は、「自分がもっていないもの」をもっている人に魅力を感じるといわれます。言い換えると、「自分がもっているもの」には魅力は感じないわけです。Image may be NSFW.
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でも、あなたに魅力を感じている人は、あなたとまったく違う価値基準であなたの素晴らしさを認めているようですよ。

自分に魅力を感じてくれている人の言うことを信頼してこそ、自分のほんとうの魅力を知ることができるのです。Image may be NSFW.
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