毎週月曜日の「恋愛テクニック」は、「カップル・カウンセリング」と題しまして、パートナーとの関係をより良いものにするため、「男性心理」「女性心理」を紐解きながら、さまざまなご提案をさせていただいています。
恋愛・夫婦問題で悩んでいらっしゃる方、パートナーをみつけようと思っている方、現在の、また将来の結婚生活に、役立つご提案を発信してまいります。
担当は、池尾昌紀・池尾千里の夫婦カウンセラー。毎週交代で発信していきます。
今週は、池尾昌紀が担当です。どうぞよろしくお願いします。
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お待たせしました。
本日の記事をお届けします。
失恋という辛い状態から、それでも立ち直って進んでいきたいと思った時。
自立してがんばってきた人ほど、それは「一人でやらずに誰かに助けを求めるやり方に変える時」であることが多いのです。
「持つべきものは友達」と言ったりしますが、親友でなくても、信頼できる関係のある人、今は縁遠くなっているけど話しができそうな昔からの知り合いなどを探して、話をしてみるチャレンジをしてみましょう。
例えば、こんな話があったとします。
***
付き合っていた彼から突然「別れてほしい」とLINE!
それから連絡が取れなくなってしまった。
腹が立って彼の家におしかけたら部屋に入れてくれず
「お前のわがままに疲れた」の一点張り。
「こんなひどい奴、こちらから願い下げだ!」と言って別れたものの、なかなか立ち直れない。
早く彼のことを忘れて次の恋愛に進みたいのだけど・・・
***
もし、あなたがこの彼女の親友だったとしたら、どんな風に接して、どんな話をしてあげると思いますか?
まずは、彼女の話を聞いてあげることから始めていくでしょう。
そして、一緒に怒ったり、励ましたりする。
あるいは、ただ黙って話を聴いてあげる。
飲みに行こうと連れ出してあげる。
人によってそれぞれのやり方で、彼女の話を聞き、応援していこうと思うのではないでしょうか。
例えば、一緒に怒ってあげるやり方をする時。
・こんな別れ方はない!と一緒に怒ってあげる
・話し合いも持たずに一方的に別れるなんてひどすぎる
・わがままなのは彼のほうだ!
こんな言葉をかけてながらになる方も多いのではないでしょうか。
そして
「こんなひどい奴とは別れてよかったんだよ」
こんな言葉を使う方も多いです。
しかし、これで元気になっていってくれるならいいのですが、彼女がなかなか忘れられない、次に進んでいけないことも納得できなかったりします。
なぜかというと、彼女としたら、彼の態度が悪いことはもちろんなので、一緒に怒ってくれたり、寄り添ってもらえることはとても嬉しいしありがたいと感じるのですが、
「なぜ、彼は私と別れようと思ったのか」
という理由を知りたいからなんですね。
すると、彼の放った
「お前のわがままに疲れた」
という言葉の意味を一緒に考えていくことになります。
これについて、彼女がわがままなところのない良い子だったとしたら、
「あなたみたいな我慢強くてわがままを言わない人に、こんなこと思うなんておかしい!」
と思って、彼の問題だからあなたは悪くない、という話をしていくでしょう。
しかし、もし、あなたが彼女を見ていて
「良い子なんだけど、時々、めちゃめちゃわがままになる時があるんだよな」
と思っていたとしたら、
「ちょっとは彼の気持ちもわかるな」
と感じながら励ますことになるでしょう。
はっきりものがいえる関係性だったとしたら
「あんた、時々、わがままになる時があるから。何か思い当たる節はないの?」
と言えるかもしれません。
失恋という苦しい渦中にいる本人ではなかなか整理ができないことですが、第三者である応援者は客観的に見ることができたりします。
すると、その応援してくれる友人は、意識していなくても二つの視点で話を聞き、整理しようとするんですね。
その二つの視点とは
「彼が悪かったところ」
「彼女が悪かったところ」
というシンプルなものなんです。
もちろん、お友達にもいろいろなタイプの人がいるので、失恋した本人よりも友達の方がエキサイトして、「今から私が一発ぶっとばしてくる!」というのを止めないといけなくなるようなこともあるでしょう。
しかし、心理的に見ていくと、どちらかが明らかに悪い時でも、
「パートナーシップの問題は50:50」
なんですね。
これは、今回のように明らかに彼が悪い態度を取っている時には腑に落ちないものです。
しかし逆に「100:0」で彼が悪いという結論も、やっぱり納得できないのです。
それは怒りや悲しみで隠されているけれど、どこかで
「実は、自分が100%悪かったのではないか」
と自ら「0:100」で自分のせいにして、自分を責めてしまっている部分があるからなのです。
彼を悪者にしているだけでは、別れの本当の理由を納得することができません。
本当の理由がわからないと、また同じことが起こったらどうしようと不安になるので、次の恋愛に進んでいくことができなくなります。
本当の理由を知るために役に立つのは、実際にどれくらいの割合で二人に別れた原因があるのかを見ていく必要があるんですね。
50:50という考え方は、実は、本当に彼が悪かったこともはっきりできるのです。
そのためには、自分の課題も見ていくと、うまくわけて整理ができるんですね。
そして「このことには必ず意味がある。何を学び成長するチャンスだったのだろうか」ということを、考えてくことが次のステップに大きくつながっていきます。
例えば、今回の「わがまま」について、本当にわがままな部分があるならそれを直していけば、次の恋愛では、少なくとも今より自分のわがままには気をつけて、相手を思いやれる人になるという学びと成長につなげていけます。
わがままが彼の勝手な思い込みだとしても、何か学ぶべきところがあるはずなんですね。
もし彼のほうがあまりにもおかしい!ということになったのなら、そんな困った人を選んでしまうしまうことを変えていくチャンスになるのかもしれません。
こうして考えてみると、50:50かもしれないと分けて考えた先にあるのは、彼のことは関係なく自分が学び成長していけば自分の幸せを得ることができる、ということなんです。
このやり方を使う時にとても大切なのは
「失恋はとても苦しいものなので、回復して心に余裕を持たせてあげるようになってから、つまり整理していく準備が整ってからじゃないと取り組めないこと」
を覚えておくことです。
準備が必要なんですね。
準備ができてきたら、あるいは、準備するためにも、こうした視点を使って心を整理していくのに、友達等を頼って力を貸してもらいましょう。
誰か次第で人生が変えるのではなく、自分の思いひとつで人生は切り開いていけるのです。
でも、このやり方を自分一人で乗り越えるのではなく、誰かの応援を受けながらやっていくことがポイントになります。
最初は話を聴いてもらい寄り添ってもらうこと。
そして、あえて別れの原因が「50:50」と思って整理すること。
何の学びと成長のチャンスが来ているのか考えること。
この視点で一緒に考えてもらうと心の整理は進みやすくなります。