親の期待に応えるための結婚を手放す

カウンセリングサービスの大塚統子です。

木曜日に大門昌代・大野愛子とともに｢うまくいかない恋の処方箋」をテーマに書いています。今回は大塚が担当です。

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以前、「努力しているはずなのに、うまくいかなくて…」という時、新たに何かに取り組むよりは、何かを手放すことが幸せの扉を開く鍵になるというお話を書きました。（＞＞＞幸せの扉をひらく鍵～たったひとつ手放す～）

J子さんは、彼を大事に思うあまり、言いたいことも言えない状態でしたが、「ものわかりのいい自分」を手放したところ、がまんが減って「彼から大事にされている」と実感しやすくなりました。

M美さんは、「彼とじゃなきゃ」を手放して、大好きだった彼とお別れをしました。結果、M美さんと幸せになりたいと望む新しいパートナーと出会いました。

今回は、「たったひとつ手放す」の続編です。

（紹介する事例は、ご本人たちに掲載のご許可をいただいています。）

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Y子さんは家族思いの女性でした。

厳格な父と働き者の母の長女に生まれ、いわゆる優等生で自慢の娘、ご本人も「いい子でいよう」と努力してきた人でした。

東京の大学に進学し、そのまま都内で就職。
30歳を過ぎた頃、婚活で出会ったのが少し年上のOさんでした。

Oさんには包容力があって、Y子さんは彼といると自由でいられて、お互い結婚を意識するようになりました。

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そして、機が熟し、Y子さんが両親にOさんとの結婚話をしたところ、想像以上の大反対をされてしまったのです。

実は、Oさんには離婚歴がありました。離婚は妻から切り出されたもの。Oさん曰く、「仕事で忙しくて、妻に関心を持たなかった。さみしい思いをさせてしまった。」とのこと。

Y子さんの両親は、離婚歴のあるOさんとの結婚が心配でした。両親の価値観では「離婚はよほどのことがないとしないもの」で、大事な娘がOさんとで幸せになれるのかを疑いました。

今まで「そろそろ結婚しろ」とせかしていたのに、結婚相手ができたら大反対する両親にY子さんは混乱しました。

Y子さんは「こんなに反対されるなら、彼とじゃない方がいいのかも。」と不安になって、思い悩みました。

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Y子さんは、ずっと「親の期待に応えること」を大事にしてきました。

Y子さんが期待に応えると、両親は喜び、笑顔になってくれたからです。それくらいY子さんはご家族が大好きで、両親を大事にしてきました。

だから、なおさら、自分の結婚話が祝福されないことが辛かったのです。

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こんな言葉があります。

「親のために結婚すると、自分のために離婚する」と。

親の思いを尊重して結婚をすると、親にとっては良くても、自分の望みとは異なります。やがて本人同士の間で無理が出て、結局自分のために離婚を選ぶ可能性が高い、という意味です。

結婚するなら、親のためではなく、自分のために結婚することをお勧めしています。

「親のために就職すると、自分のために転職する」というケースも多くあります。

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余談になりますが、離婚には、結婚以上のパワーが必要という話をよく聞きます。

結婚するときにも、準備や手続きなどかなりの労力がかかります。しかし、離婚をするときには、さらに心理的なダメージが加わります。

離婚経験者は、結婚という決断、離婚という決断、大きな人生の決断を2つもすることができた人です。

離婚を負の遺産ととらえるのではなく、大きな決断をしてきた結果と理解することもできるでしょう。

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Y子さんがたったひとつ手放したものは、「親の期待に応えるための結婚」でした。

両親が反対するのは、Oさんを拒絶しているのではなくて、Y子さんの幸せを願うからこそのことです。そこに反応していきましょうとご提案しました。

Y子さんは、「何で反対するの？賛成してほしい」と説得するのをやめて、自分の幸せを願ってくれている両親に感謝を伝えていきました。

そして、これまでOさんと幸せに過ごすことを両親に対して後ろめたく感じていましたが、「両親は私たちが幸せなら喜んでくれるはず」と信じることにしました。

Y子さんが「Oさんと結婚して幸せになる」と腹をくくったところ、やがて両親は「反対しても言うことは聞かない」と反対するのをあきらめたそうです。

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これまで、親の期待に応えることで、「親を喜ばせたい」とがんばってきたのかもしれません。

これからは、あなたが幸せになった姿を見せることで親を喜ばせていくのはいかがでしょう。